作られた郷愁に負けない。イオン生まれイオン育ちの平成魂を胸に秘め生きる。
今住んでいる地域は商店街が活発で個人商店も多く、散歩しがいのある素晴らしい街だ。懐かしさやぬくもりを感じる。古き良き生活。こうした暮らしをイオンが人々から奪っていくのだと、実感のはき違えでもって因果関係を超越し商業主義をやたらと叩きたくなる。画一化め、便利めが、と二子玉川の先を睨みつけようしてしまう。
そんなことばかりでは決してないはずなのに。
最近、友人と話していて愕然とした。あんなにお世話になってきたイオンへの恩を忘れ、ないがしろにしている自分がいることに。
僕の人生、振り返ればそこにはイオンがあった。
中学生横山にとってイオンは間違いなく文化の伝道師であった。
ヴィレヴァンでいかがわしさへの蒙を開き、ライトオンで服による自己表現に胸をときめかせた。
ゲームコーナーで熱狂を覚え、ブックコーナーで雑誌の多さを知り、理容室で髪をとにかく短く切って貰っていた。
食品や日用品の買い物をしていた親と合流してサーティーワンアイスを食べ、サザエのおやきをお土産にいくつか買って帰ったりしていた。
学校の帰り道、商店街の肉屋に寄ってコロッケを買い食いしたり、本屋で立ち読みして店主に邪険に扱われたり、駄菓子屋で同級生とたむろするなんていう思い出は持ち合わせていない。
休日、学校の近くのゲオでふたりエッチを立ち読みしているところを隣のクラスの女子に見られてドギマギしたり、朝から晩までとにかくブックオフやお宝.倉庫にいたり、文教堂の横にあるCDレンタルショップでなけなしのお小遣いをはたいてレンタルしていた思い出はある。
ショッピングモールとリサイクルショップにレンタルショップ。自分の根っこはここら辺にある。
イオンも商店街もこれからもどっちともあり続けて欲しい。ブックオフも古書店もあり続けて欲しい。ユーネクストもレンタルショップもあり続けて欲しい。
ジブリやたけし映画が映像配信解禁されないのは我慢するから、どうかどうかなるだけ沢山の良いとこ取りをさせて欲しい。
頭とお尻がねじれている、マンティコアみたいな文章になっていないか不安。